上述の通り、気体の問題を解くには、『気体の状態方程式PV=nRTのみを用いるだけでことが足りる』というのが僕の持論ですが、気体の状態方程式PV=nRTには、『気体の圧力はその飽和蒸気圧を超えることはできない;P≦飽和蒸気圧』という制限条件があります。ですから、飽和蒸気圧についてきちんと自分なりの解釈を身に付けておきましょう。少なくとも、『気体と液体が共存しているとき、その(気体の)圧力は必ず飽和蒸気圧である』ことは必ず納得しておきましょう。 |
何度も繰り返しますが、気体の問題を解くには、『PV=nRT』と『P≦飽和蒸気圧』の2つが身についていれば、必ず解くことができます。ただ、題材にどのようなパターンがあるかを知り、事前に考えておくと、より平易に問題に立ち向かうことができるでしょう。PV=nRTには、nを一定としたとしても、P,V,Tという3つの変数があります。グラフを描く場合、これらを同時に変化させると3次元グラフになってしまいます。よって、気体のグラフ問題は、P,V,Tのどれかを一定として出題されます。 |
単一成分(凝縮する気体)の場合は、温度一定で体積を減少させると、やがてすべてが凝縮されてしまいます。しかし、混合気体(少なくとも1成分は凝縮する気体、他の1成分は凝縮しない気体)の場合には、温度一定で体積を減少させても、凝縮する気体のすべてが液化してしまうわけではありません。凝縮しない気体が空間を確保し、その空間に飽和蒸気圧分まで残ることができるからです。このことが理解できるレベルはかなりのものだと思いますが、どうかチャレンジしてみて下さい。 |