本文へジャンプ
F体積一定で、温度を下げる。 G圧力一定で、温度を下げる。 H実在気体の理想気体からのずれ
単一成分(凝縮する気体)の場合でも、混合気体(少なくとも1成分は凝縮する気体、他の1成分は凝縮しない気体)の場合でも、体積一定で温度を下げても、凝縮する気体のすべてが液化してしまうわけではありません。凝縮しない気体が空間を確保し、その空間に飽和蒸気圧分まで残ることができるからです。体積一定の問題は、特に頻出です。しっかりと押さえておきましょう。飽和蒸気圧に達するまではすべて気体として存在し、その挙動はPVnRTに従います。飽和蒸気圧に達してからは気体と液体が共存する状態になり、その挙動は飽和蒸気圧曲線に従います。 単一成分(凝縮する気体)の場合は、圧力一定で温度を下げると、やがてすべてが凝縮されてしまいます。しかし、混合気体(少なくとも1成分は凝縮する気体、他の1成分は凝縮しない気体)の場合には、全圧一定で温度を下げても、凝縮する気体のすべてが液化してしまうわけではありません。凝縮しない気体が空間を確保し、その空間に飽和蒸気圧分まで残ることができるからです。最後の最後までには、このことが理解できるレベルに達することができたらいいですね。混合気体における全圧一定の場合の説明はここには示してありませんが、気になったら、声を掛けて下さい。 気体は、高温・低圧の世界では、ほぼ理想気体として扱うことができ、PVnRTに従って挙動します。私達が住むこの世界は、気体にとっては十分に高温・低圧の世界であり、私達は気体の挙動をPVnRTに従って判断することが出来ます。また、気体は、低温・高圧の世界では、理想気体として扱うことができなくなり、その挙動はPVnRTには従いません。化学工業などでは、かなりの高圧で気体を取り扱うことがありますが、そのような場合にはPVnRTに従って判断することが出来なくなります。ここでは、理想気体と実在気体のずれについて認識しましょう。

H実在気体の状態方程式
最後に、証明ではありませんが、実在気体の状態方程式を導いてみましょう。誘導の流れを暗記するのではなく、一段一段を納得することが肝要です。