表題(例;@化学電池の基本的な構成って?)の上の イメージ図をクリックすると詳細な説明が出ます。
@化学電池の基本的な構成って? AKIとKMnOで電池を作れる? Bダニエル電池って?
電流の流れとは、すなわち、電子の流れ(電流の流れは正極から負極に向けて、電子の流れは負極から正極に向けて)です。そして、電子の流れとは、電子を放出するもの(還元剤)と電子を受け取るもの(酸化剤)とがあって生み出すことができます。すなわち、電池の負極側には還元剤(これを、負極活物質と呼ぶ)があり、電池の正極側には酸化剤(これを、正極活物質と呼ぶ)があります。そしてその両者は、互いに引き離された上で、導線と電解液で結ばれます。そのとき、導線において電子の流れ(電流の流れ)が生じます。 上記のタイトルの図(KI水溶液とKMnO4水溶液が、引き離された上で、導線と硫酸という電解液によって結ばれている)を見て下さい。電池について酸化還元反応という立場からの理解出来ていないと、上記の図が電池であるとは気が付かないかもしれません。しかし、上記の図は、明らかに電池としての構成をもっています。というのは、KIは代表的な還元剤のひとつであり、KMnO4は代表的な酸化剤のひとつですから。すなわち、上記の図は、KIを負極活物質、KMnO4を正極活物質とする化学電池です。 ダニエル電池を、『イオン化傾向の異なる2種類の金属板を電解液に浸すことによって構成された電池である』と解釈して、何の問題もありません。しかし、その説明は、ボルタ電池やダニエル電池についての説明として有効なのであって、鉛蓄電池や燃料電池など、他の化学電池にまで有効な説明ではありません。電池について酸化還元反であるという立場からの理解から述べるならば、上記のダニエル電池は、『亜鉛板を負極活物質とし、正極側の電解液中の銅(U)イオンを正極活物質とする化学電池である』と説明できます。

C鉛蓄電池って? D燃料電池って? E電池と電気分解を比較すると?
鉛Pbは、金属単体であり、還元剤として働くことができます。また、酸化鉛(W)PbO2は酸化剤として働くことが出来ます。よって、鉛蓄電池は、Pbを負極活物質、PbO2を正極活物質とする化学電池であるということになります。私達は、鉛蓄電池を、二次電池(充電が出来る実用的な電池)の代表例として学びます。二次電池である要件のひとつは放電生成物が極板上にあることですが、鉛蓄電池の場合はその放電生成物は硫酸鉛(U)PbSO4であり、放電時にPbSO4は両極板上に析出し、結果、両極板上に存在します。
●この空色文字をクリックすると、『鉛蓄電池の形成実験』の動画にジャンプします。
水素は、いうまでもなく、代表的な還元剤です。酸素は、いうまでもなく、代表的な酸化剤です。ですから、上記の水素−酸素燃料電池は、水素を負極活物質、酸素を正極活物質とする化学電池であるといえます。全体反応を見ると、水素が燃えて水になるという反応(水素を燃料とする反応)であり、その反応のエネルギーを電気エネルギに変換するわけですから、『燃料電池』と呼ばれます。私達は燃料電池を、今後に期待される電池として学ぶので、なぜ私達が燃料電気に期待を寄せるのか、その利点などについて意識して学習しましょう。
ちなみに、東京ガスのエネファームは、家庭用燃料電池です(*'▽')。
電池は、能動的(自発的)に起こる酸化還元反応を利用したのもです。ですから、電池は自然界にも存在します。例えば鉄のさびですが、鉄の表面に『局部電池』が形成されることによって進行します。一方、電気分解は、受動的な酸化還元反応であると言えるでしょう。外部からデンキエネルギーを与えられて初めて起こります。ですから、掛ける電圧(電気エネルギー)次第では、通常は自然界では起こりえないような酸化還元反応でも引き起こすことが出来ます。そういった意味では、まさに魔法ですね。はい、魔法です。それゆえに、電気分解が化学工業で多用されているともいえるでしょう。
次に進む。