電流の流れとは、すなわち、電子の流れ(電流の流れは正極から負極に向けて、電子の流れは負極から正極に向けて)です。そして、電子の流れとは、電子を放出するもの(還元剤)と電子を受け取るもの(酸化剤)とがあって生み出すことができます。すなわち、電池の負極側には還元剤(これを、負極活物質と呼ぶ)があり、電池の正極側には酸化剤(これを、正極活物質と呼ぶ)があります。そしてその両者は、互いに引き離された上で、導線と電解液で結ばれます。そのとき、導線において電子の流れ(電流の流れ)が生じます。 |
上記のタイトルの図(KI水溶液とKMnO4水溶液が、引き離された上で、導線と硫酸という電解液によって結ばれている)を見て下さい。電池について酸化還元反応という立場からの理解出来ていないと、上記の図が電池であるとは気が付かないかもしれません。しかし、上記の図は、明らかに電池としての構成をもっています。というのは、KIは代表的な還元剤のひとつであり、KMnO4は代表的な酸化剤のひとつですから。すなわち、上記の図は、KIを負極活物質、KMnO4を正極活物質とする化学電池です。 |
ダニエル電池を、『イオン化傾向の異なる2種類の金属板を電解液に浸すことによって構成された電池である』と解釈して、何の問題もありません。しかし、その説明は、ボルタ電池やダニエル電池についての説明として有効なのであって、鉛蓄電池や燃料電池など、他の化学電池にまで有効な説明ではありません。電池について酸化還元反であるという立場からの理解から述べるならば、上記のダニエル電池は、『亜鉛板を負極活物質とし、正極側の電解液中の銅(U)イオンを正極活物質とする化学電池である』と説明できます。 |