陽極は、直流電源(電池)の正極に接続された極です。正極は電池が戻っていく極ですから、陽極では電子が奪われます。すなわち、電気分解の陽極は「酸化反応が引き起こされる極」です。様々な電解液を対象にすれば、それに応じて、様々な電極反応が起こることでしょう。しかし、電気分解を利用した代表的な化学工業を理解することを目的とするならば、上記の流れ図に示された程度の事象を押さえておけば、それで十分でしょう。本当の電気分解の反応は、電解液の濃度やかける電圧によっても左右されます。私達の学習で電解液の濃度やかける電圧を意識しないということは、起こりやすい反応だけを考えているからだとは思えませんか? |
陰極は、直流電源(電池)の負極に接続された極です。負極は電池が出ていく極ですから、陰極では電子が与えられます。すなわち、電気分解の陰極は「還元反応が引き起こされる極」です。様々な電解液を対象にすれば、それに応じて、様々な電極反応が起こることでしょう。しかし、電気分解を利用した代表的な化学工業を理解することを目的とするならば、上記の流れ図に示された程度の事象を押さえておけば、それで十分でしょう。本当の電気分解の反応は、電解液の濃度やかける電圧によっても左右されます。私達の学習で電解液の濃度やかける電圧を意識しないということは、起こりやすい反応だけを考えているからだとは思えませんか? |
塩化ナトリウムNaCl水溶液を電気分解して、水酸化ナトリウムNaOHや塩素Cl2などを工業的に製造する方法です。NaOHは、アルミニウムの製錬をはじめ、様々な化学工業において必要な化学物質ですし、塩素Cl2も、水道水やプールの殺菌に始まって、殺菌剤や漂白剤などに広く活用されている化学物質ですから、イオン交換膜法はしっかりと理解しておきたいものです。陽極では塩化物イオンが酸化されて塩素が発生します。相対的に過剰になったナトリウムイオンは、陽イオン交換膜を通過して、陽極側から陰極側に移動します。負極では水が還元されて水素が発生し、水酸化物イオンが生成します。結果、陰極側で水酸化ナトリウムが生成することになります。。 |