化学の基礎って変化しないこと? 化学学習の手始めに「化学結合」を考えよう! 周期表の変遷は、同位体の発見などによる。
@ 質量保存の法則とか、原子説とかいった化学の基礎法則を眺めるとき、私は、化学の基礎って『変化すること』じゃなくて、『変化しないこと(不変であること)』なんだなと思ってしまいます。原子は変化しない、しかし、その組み合わせが変わることによって、『変化したようにみえる(化ける)』のだなと・・・。 A 原子の組み合わせが変わることによって、『変化したようにみえる(化ける)』のだな・・・とすると、化学の学習の手始めに、「化学結合」について考えておくことは大事ですね。ただ、種々の化学結合について考えてみるとき、それ以前に、電気陰性度の周期性をはじめとして、多くのことを学んでおくことが肝要です。上の流れ図は、私の考え方に過ぎませんが、種々の化学結合を納得するために必要な学習の流れです。 B 電気陰性度の周期性など、元素の周期性を学ぶには、まず、周期表をおさえておかないとね。ちなみに、メンデレーエフの周期表と現代の周期表との違いは?メンデレーエフの周期表は重さ(当時の概念による原子量)順でした。現代の周期表は原子番号順です。何故変わったのでしょう?そうですね、メンデレーエフ以降に同位体が発見されたからですね。同じ元素の原子でも、重さの異なるもの(同位体)があると分かったからです。

周期表は地図ですよ! イオン化エネルギーと電子親和力の周期性。 電気陰性度の周期性。
C 周期表を色分けしておきましょう。緑の部分は非金属(すべて典型元素)です。ピンクの部分は典型元素の金属、青の部分は遷移元素の金属です。ちなみに、周期性は典型元素の部分において顕著ですが、遷移元素の部分では顕著ではありません。
価電子の周期性と周期表
D イオン化エネルギーは陽イオンへのなりやすさ、なりにくさの指標となります。大きいほど陽イオンになりにくく、小さいほど陽イオンになりやすいと言えます。一方、陰イオンへのなりやすさ、なりにくさの指標となるのは、電子親和力です。ちなみに、イオン化傾向は、水和陽イオン(水中での陽イオン)へのなりやすさであり、イオン化エネルギーとは直接には関係しません。 E イオン化エネルギー(陽イオンへのなりやすさ)と電子親和力(陰イオンへのなりやすさ)との兼ね合いで、結合に関与する電子の引き付け易さが決まります。両者の兼ね合いによって決まる『結合に関与する電子を引き付ける度合い』は、電気陰性度と呼ばれる数値で表されます。電気陰性度は、希ガスを除いて周期表の右上の方が大きくなります。つまり、非金属は大きな値を、金属は小さな値を示します。

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