分子という存在
分子は共有結合でつくられる!
G 原子間の結合には、「共有結合」、「イオン結合」、「金属結合」があることがわかりました。このなかで、「共有結合」だけは、分子という集団を形成します。その分子間にも「分子間力」という結合力が働きます。よって、次は分子間力について考えてみましょう。
非金属原子間の結合は共有結合!非金属−金属原子間の結合はイオン結合!
F 電気陰性度の周期性を考えると、非金属は電気陰性度が大きく、結合に関与する電子対を引き付ける傾向が強い、金属は電気陰性度が小さく、結合に関与する電子対を引き付ける傾向が弱いということでした。すると、非金属原子間(両者が電子対を欲しがる)では、原子どうしは結局は電子対を共有することでしょうね(共有結合)。、非金属原子と金属原子間(一方は電子対を欲しいよぉ、他方はあげるよ→一方は陰イオンに、他方は陽イオンになる)では、陽イオンと陰イオンの間での静電気的な引力が働くでしょう(イオン結合)。金属原子間(両者が電子対を欲しがらない→金属原子は陽イオンに、放り出された電子対は自由電子になる)では、自由電子と陽イオンが静電気的に引き合う(金属結合)ことでしょうね。 分子の形状
分子の形状は電子式から予想できる!H 分子間力について考察するには、分子の極性についてわかっておく必要があります。そして、分子の極性についてわかっておくためには、分子の形状を知る必要があります。

無極性分子 極性分子 分子間力
水素や二酸化炭素は無極性分子! 水やアンモニア、フッ化水素は極性分子! 分子間力と沸点との相関は?
I 水素は、元々、水素原子間の結合に極性がありません。二酸化炭素は、炭素と酸素原子間の結合に極性がありますが、これらの結合がもつ極性は、二酸化炭素分子の形状から、互いにうち消され、分子全体としては、二酸化炭素は極性をもたないことになります。 J 塩化水素やフッ化水素のように、異なった2つの原子からなる2原子分子では、その結合にも、分子全体としても、極性があります。水やアンモニアでは、複数の結合に極性がありますが、それらの分子の形状から、それの極性は互いに打ち消されることはなく、分子全体としても極性をもちます。 K 多くの水素化合物について、その沸点を比較すると、どのような分子がより強い分子間力をもつか、その概略が見えてきます。そして、その結果から、水、アンモニア、フッ化水素などには、他の分子間には観察されない強い分子間が働いていることに気が付くことになります。そして、その強い分子間力を、私達は『水素結合』と呼んでいます。
無極性分子の結晶であるドライアイス(厳密な結晶ではなく、表面で昇華が起こっている)と極性分子の結晶である氷(厳密な結晶ではなく、表面で融解が起こっている)を電子レンジに入れてチンすると、氷は融けてしまいますが、ドライアイスはほぼ変化しません。
ドライアイスと氷、そして、電子レンジ(*'▽')