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テーマ 学習内容
 アルカン  単結合のみをもつ鎖式炭化水素の総称です。まずは、その一般式がCnH2n+2であることを確認しましょう。ある炭化水素の化学式がCnH2n+2に相当するとき、その炭化水素はアルカンです。アルカンの代表例はメタンです。メタンの実験室的製法は、その化学反応式をきちんと書けるようにしておきましょう。アルカンは反応性に乏しい化合物です。通常は、酸や塩基とも、酸化剤や還元剤とも反応しません。しかし、適当な相手と適当な条件下では置換反応を起こします。また、この置換反応は連鎖的に進行します。よって、メタン(と塩素との反応)を例にして、その置換反応について整理しておくことは大切でしょう。
アルケン  (不飽和結合としては)二重結合1つのみをもつ鎖式炭化水素の総称です。まずは、その一般式がCnH2nであることを確認しましょう。ただし、ある炭化水素の化学式がCnH2nに相当するとき、その炭化水素はアルカンであるとは限りません。環状の飽和炭化水素であるシクロアルカンである可能性もあります。アルケンの代表例はエチレンです。エチレンの実験室的製法は、その化学反応式をきちんと書けるようにしておきましょう。アルケンは反応性に富む化合物です。付加反応や付加重合を起こします。よって、エチレンを例にして、その付加反応や付加重合について整理しておくことは大切でしょう。ちなみに、あるケンは酸化を受けやすく、オゾンや過マンガン酸カリウムを作用させると、二重結合が切れてカルボニル化合物やカルボン酸などに変わります。このこと(オゾン酸化や過マンガン酸化)は別の講で触れますが、ここでは、エチレンをPdCl2触媒の存在下で空気酸化するとアセトアルデヒドが生成する(現在のアセトアルデヒドの工業的製法)ことを知っておきましょう。
 アルキン   (不飽和結合としては)三重結合1つのみをもつ鎖式炭化水素の総称です。まずは、その一般式がCnH2n−2であることを確認しましょう。アルキンの代表例はアセチレンです。アセチレンの実験室的製法は、その化学反応式をきちんと書けるようにしておきましょう。アルキンもまた反応性に富む化合物です。付加反応や付加重合を起こします。よって、アセチレンを例にして、その付加反応や付加重合について整理しておくことは大切でしょう。ちなみに、アセチレンやR-C≡C-Hという構造をもつアルキンにアンモニア性硝酸銀水溶液を作用させると、置換反応が起こって沈殿(AgC≡CAgやR-C≡CAg)が生じます。この反応はアセチレンやR-C≡C-Hという構造をもつアルキンの検出反応として利用されます。
 異性体  有機化合物のもっとも大きな特徴の一つは、数多くの異性体が存在することです。異性体を考えるとき、私達は、まず、構造異性体を考えます。次に、各構造異性体に立体異性体が存在しないかどうかを考えます。立体異性体には、二重結合に由来する幾何異性体と、不斉炭素原子に由来する光学異性体とがあります。

 不飽和数  構造異性体を考えるとき、不飽和数(不飽和度)という概念を知っておくととても便利です。活用できるように、しっかりと押さえておきましょう。

 メソ体  不斉炭素原子を2つもつもつ化合物には、通常、2=4種類の立体異性体の存在が予想されます。しかし、予想される4種類の中に、2つの不斉炭素原子の間に分子内対象面が存在する構造があった場合(あった場合には2つある)、それらは同じもので、不斉炭素原子をもつにも関わらず、平面偏光を回転させる性質をもっていません(光学的不活性である)。このような構造の(2つの不斉炭素原子の間に分子内対象面をもつ)化合物は、メソ体と呼ばれます。
   メソ体の解説VTR
 オゾン分解など  有機化学の構造推定において、しばしばオゾン分解が登場します。オゾン分解については、多くの場合、問題文中でその概要が説明されます。しかしながらあらかじめ知っておくと知らないでは、大きな差が出ると思いますので、概略で十分ですのでつかんでおきましょう。