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F浸透圧 G浸透圧の式 H浸透圧の測定
半透膜を隔てて溶媒と溶液が接していると、溶媒が溶媒側から溶液側に移動します。これを浸透といいます。とは言っても、溶媒は一方通行で溶媒側から溶液側に移動しているわけではありません。溶媒は溶液側から溶媒側に向かっても移動しています。ただ、『溶媒側から溶液側への移動量>溶液側から溶媒側への移動量』であるため、溶媒が溶媒側から溶液側に移動(浸透)しているように観察されると考えると良いでしょう。 浸透の大きさを浸透圧と呼ばれる圧力として考えると、その浸透圧πは溶液の(体積)モル濃度と絶対温度に比例します。実はこの式は(理想)気体の状態方程式と同一です。よって、この関係式を用いると、蒸気密度法(気体の分子量測定法)と同様に、溶液の浸透圧を測定することによっても、溶質の分子量を知ることができます。すなわち、浸透圧の測定もまた、分子量測定法の一つとして用いることができます。 浸透圧の測定方法は様々です。その中でも(入試問題中などで)最も多く見掛ける測定方法は、U字管を用い、溶媒の移動が観察されなくなったときの溶媒と溶液の液面差を調べることによって浸透圧を測定する方法です。U字管の両端が大気に対して解放されている場合、溶媒と溶液の液面差が示す圧力は、浸透圧の大きさを示しています。よって、液面差(cmまたはmm)を圧力(PaまたはmmHg)に換算できることは必須ですね。

I一端または両端が閉じられたU字管
Hで、『U字管の両端が大気に対して解放されている場合、溶媒と溶液の液面差が示す圧力は、浸透圧の大きさを示しています』と書きましたが、入試問題で出題される「実験」の中には、U字管の一方、または両方が閉じられていて、大気に対して解放されていない場合があります。このような場合には、圧力の釣り合いがどのようになるのか、余裕があるときに、考えておくと良いでしょう。